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「そこに生えている草や木、
花も同じく生命だ。
こうやって喋っている俺も。
お前が街ですれ違う人も、
昨日話した相手も。
この世の全てが、尊い命だ。
たとえ、それが自分に敵意を持った相手であっても。自分が心底嫌いな相手であっても、だ。
その辺はなかなか受け入れられないだろうが、そいつの中にも脈々と流れている。
命の息吹と死が。
今は、その事に気づいていないだけ。
一生気づかない輩もいるがね」
黒猫はそこまで話すと、目を閉じた。
「そのこと、忘れるなよ」
僕は1つ頷いた。
そして、自分の家に帰ろうと空き地から踵を返した時、現実に引き戻された。
目が覚めたのだ。
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