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「パパも、めだまやきだ!」
「そうだぞ。それじゃ、食べようか。おもちゃは、置いて」
「うん」
手の中のフライパンを机に置くと、パパがフォークを渡してくれた。
「それじゃあ、手を合わせて」
「いただきます!」
あたしは、フォークを勢いよくハンバーグに突き刺し、大きなお口を開けてモグモグと食べ始める。
パパもスプーンを握ると、ごはんの上に乗っていた目玉焼きをプスリ。目玉焼きから、黄色いトロトロが溢れ出す。それをパパは、ごはんと茶色いつぶつぶと一緒にザクザクかき混ぜてから、大きなお口でパクリ。
「パパ、おいしい?」
「ん? 美味しいぞ~」
パパは、いっぱいの卵とちょっとのごはんと、それから、ほんの少しの茶色のつぶつぶを混ぜてスプーンに乗せると、「あーん」と言う。
あたしは、パパの声に合わせて、お口を大きく開けてパクリ。
「パパのは、カレーあじの、たまごごはんなの?」
モグモグしながら、首を傾げるあたしをパパは可笑しそうに笑う。
「パパのは、カレーだ」
カレーは、黄色い海に、白いご飯の島が浮いているやつだ。ママがいつも作ってくれるカレーは、そういうやつ。パパが食べているのとは違うんだけどな。間違えてるのかな。パパ。
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