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でも、パパは美味しそうに食べているので、あたしも自分のごはんを一生懸命食べることにする。
ここのファミレスに来ると、あたしは、いつもパパやママに、このハンバーグをお願いする。だって、とっても美味しいの。ハンバーグにかかっているソースが甘くて、そのまま食べても美味しい。上に乗った目玉焼きにプスリと穴をあければ、黄色いトロトロが。それとソースを絡めてハンバーグを食べれば、もう、ほっぺたが落ちそうになる。
ハンバーグを半分食べ終えて、いよいよ目玉焼きにプスリと穴を開けようとしていると、ごはんを食べ終わったパパが、困った顔をしていた。
「パパ? カレーあじの、たまごごはん、おいしくなかったの?」
心配になって、あたしは、目玉焼きに穴を開けるのも忘れて、パパの顔を覗き見る。そんなあたしに、パパはニコリと笑顔になった。
「そんなことないぞ。とっても美味しかった。パパが困ってたのは、違うことなんだ」
「ちがうこと?」
あたしが手と口を動かすのやめて、ポカンとパパを見上げていると、パパが、あたしの口周りを綺麗に拭ってくれてから、大人用のフォークで目玉焼きにプスリと穴を開けた。中から黄色いトロトロが零れ出す。それとソースを絡めたハンバーグをフォークに突き刺し、「あ~ん」と言う。
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