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あたしは、パパの声に合わせて、お口を大きく開けてパクリ。
やっぱり美味しい。口をモグモグと動かし始めたあたしのために、パパは次のハンバーグにフォークを刺す。そうしながら、ちょっと困り顔をみせた。
「ママが帰ってきたら、ママのお誕生日だろ?」
「うん」
「でも、パパ、ママへのプレゼントまだ考えてないんだよ」
「え~!」
あたしは、ハンバーグを入れたままのお口を大きく開く。
ママは今日、ママの仲良しさんとお泊まりに行っているの。それで、明日帰ってきたら、ママのお誕生日会をやる事になっているのだけど……。
「パパ、ケーキは?」
あたしは心配になり、思わず椅子から立ちそうになる。そんなあたしに、パパは少し怖い顔。
「こら! ちゃんと座って」
パパの怖い顔に思わずお尻をモゾモゾとしながら、あたしは、椅子に座り直した。
「パパ、ケーキ……」
もう一度確認しようとしたら、目の前にハンバーグが来たので、パクリ。モグモグしながらパパを見ると、パパの顔は、また困り顔になっていた。
「あ〜、ケーキもかぁ……」
どうやら、パパはケーキ屋さんにもまだ行ってないみたいだ。これは、大変!
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