嫌がらせ

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初めは突然の訪問者に妻は驚きを隠せずにいた。 元上司は妻に復縁を望んだ。 ところが妻はそれを拒絶した。 元上司の要求を断り、頑なに家の中に入れようとしなかった。 『もう私は夫を裏切らないって決めたの。あの人に尽くすって決めたのよ』 『綺麗事かも知れない。夫は一生、許してくれないでしょう。だけどそれが私の贖罪なの。バカな私ができる罪滅ぼしなの。もうこれ以上、夫を悲しませちゃいけないのよ!』 妻は夫への贖罪をかつて愛した間男にぶつけた。 それに元上司は頭に血が上り、玄関で妻を押し倒した後、馬乗りになった。 妻は激しく抵抗したが女の力では為す術もなかった。 大声を出して助けを呼ぼうとするも、口を塞がれて出ようにも出せずにいた。 動きが鈍くなった所を見計らって妻の服を剥がそうとした時だ。 カフェオレが元上司目掛けて突進してきたのだ。 猫の鳴き声に元上司は 顔を上げ、奴の顔面はカフェオレに埋もれた。 その際、鋭利な爪で元上司の顔面を引っかいたという。 引っかかれた元上司は妻から離れ、顔面にくっつくカフェオレを無理やり引き離すと外へと投げたのだ。 驚いたカフェオレはそのまま外へと出ていってしまったのだ。 元上司も目撃者に見られるのを恐れてか、妻を諦めて、その場から走り去っていった。
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