嫌がらせ

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警察署の帰り道…… 俺は妻の事を考えながら家路へと帰っていた。 俺は妻の事を考えようとはしなかった。 ただ家の居心地の悪さを妻のせいにして、出て行かせる方法ばかり考えてた。 再構築なんて有り得ない。 必ず失敗し、互いが傷つくだけだ。 そう俺は考え、妻を避け続けた。 しかし妻は本気で再構築を望んでいた。 今度こそ俺だけを愛そうとしていたのだ。 たとえ嫌われ続けようとも…… 酷い嫌がらせを受けようとも……… それらを受け止め、俺を愛し続けた。 それなのに俺は………俺は……… 全ての真実を知り、俺の中に残されたのは激しい後悔だけだった。 だが、気になる事がある。 何故、妻は一緒に消えたのか。 あの場から走り去ったのはカフェオレと元上司だけだ。 妻は玄関に取り残されてた筈だ。 元上司はこの三日間、妻には会ってないというし…… だが、妻とカフェオレと一緒に消えたある物が俺を1つの結論へと結びつけた。 ――もしかして妻は…… 気が付けば家の前に辿り着いていた。 だが、家には明かりがついていた。 両親や義両親にはまだ今日の事は話していないから来ていない筈だ。 俺はもしやと思い、すぐに玄関のドアを開けた。
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