嫌がらせ

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「カフェオレが逃げたのは知ってるわよね?」 「ああ。三日三晩、探したよ。俺の苦労も知らずに今はスヤスヤと眠っているがな」 俺はカフェオレの方へと目をやった。 「私もよ。あの後、私も探したの。カフェオレを探しに三日間、街をさまよってた。だけどどこへ行ったのか見当もつかず、路頭に迷ってしまいました」 「寝泊まりはどうしてたんだ?義両親や友達にも連絡したんだぞ」 「ネカフェで済ませました。その間にネットで猫が寄り付く場所等を調べました。それでも見つからず……今日、あなたに全ての真実を告げて家を出て行こうと決心した矢先に、カフェオレが玄関の前にいたんです」 「カフェオレが帰って来たのか?」 妻はコクンと頷いた。 「足に擦り傷があり動物病院に連れて行きましたが大した怪我ではなく、どこも異常はみられませんでした」 「そうか………だけどどうして俺に連絡を寄越さなかったんだ?」 この問いかけに妻は答えられずにいた。 しかし意を決したかのように口を開いた。 「だって……あなたは許してはくれないから」
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