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気がつけば、俺は妻に近付き、優しく抱きしめた。
「ちょ………あなた……」
突然の抱擁に妻は戸惑い、俺から離れようとしていた。
「すまない……すまない」
俺は妻を強く抱きしめながら、何度も謝った。
「俺は一方的にお前を避けていた。避け続けてきた。早く出て行って欲しいと何度も願った。その為にカフェオレを利用した」
「あなた……」
「だけどお前は俺の嫌がらせを受け入れるかのように黙って耐え続けた。本当にお前はすごいよ」
俺の眼から涙が溢れてきた。
涙は止まらずに、涙を流し続けた。
「私の方こそ、ごめんなさい。あなたの上司に半ばレイプされて写真を撮られて脅されました。そこからズルズルと浮気にハマってしまった。あなたを深く傷つけてしまった。本当に……本当にごめんなさい」
妻も今まで耐えてきた涙が決壊した。
俺達はお互いに涙を流して謝りながら抱き合っていた。
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