44人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
それから俺は妻と一緒に夕食を食べた。
久しぶりに妻の料理を食べたが美味しかった。
夕食後、一緒にソファに座り、コーヒーを飲みながら今後の事を話し合った。
「事情はどうあれ、お前が浮気した事実は覆す事はできない。壊れた信頼は修復する事はできないんだ」
そう言うと俺は妻の優しく手を握った。
「でもお前の俺とやり直したい気持ちは充分に理解できた。俺はそれに気付くのが遅すぎたようだ」
「あなた……」
「信頼が修復できないのなら、新しい信頼を作ればいい…………また俺と一緒に作ってくれるか?」
妻はまた涙顔を浮かべていた。
必死で堪えていたがやはり涙を流し、何度も何度も頷いた。
「うん……うん………よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」
俺達は再び抱き合った。
その時、ふと視線を感じた。
視線の先にはカフェオレが、自分のソファで香箱座りで眠っていた。
だけど俺は思う。
カフェオレは俺達を仲直りさせようと奔走したのではないのかと……
最初のコメントを投稿しよう!