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「今日からこの子は俺の家族だ。俺がいない間、お世話を頼む」
ソファで鼻をかむ妻に俺は子猫を抱き上げて宣言した。
「もしこの子に何かあったら即離婚だ。誓約書にも追記しておいた。それが嫌なら出ていってもらっても構わない。もうひとりじゃないしな」
久しぶりに妻は俺の顔を見た。
怒りに満ちた表情を浮かばせていたが不思議と怖くはなかった。
俺に対して睨んでいたが、すぐにくしゃみをして鼻をかんだ。
「二ャー」
「お腹空いたか?よしよし今、パパがミルクを作ってあげるからね」
俺は呆然と突っ立っている家政婦を他所にキッチンへと向かった。
明日が待ち遠しい。
久しぶりに楽しい買い物ができるぞ。
トイレに玩具にキャットタワー。
餌にゲージ等、買わなきゃいけないものがいっぱいだ。
幸いにも金はある。
妻を寝取ったアホな元上司の慰謝料がまだ手付かずだからな。
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