春始めました

春の雑談

＿＿＿＿チャプチャプチャプ。ピチャピチャピチャ。

「あらあら、春の小川さん、そんなに急いでどこにいくのですか？」
「やあやあやあ、タンポポさんにメダカさん。
私はこれから野を越え、山越え、谷越えて、そうして
海まで出る旅にでるんですよ。」
「そうですか、お忙しいですね。」
「はい、特にこの季節は忙しくてね。
　厳しい冬を越えた雪解け水が一斉に旅へ出始めますから。
ところで、ところで、メダカさん。私の体の中はまだ冷たいですか？」
「いえいえ、ちょうどいいですよ。水の中にも春がきましたね。」
「いやーそれはよかった。」

「あっ、それはそうとメダカさん。もう少しヒレを振って堂々と泳がないと流れにのみこまれますよ。」
「あら、あらタンポポさん、ご助言ありがとうございます。お詳しいんですね。」
「あっ、そうなんですはいはい……。
先ほどの話の続きです。
実は、私以前は、あなただったんです。
あっ、言っちゃった……。」
「えっ、そうだったんですね。そしたら話は早い。
実をいうと僕も以前はあなただったんです。」
「えっー!」＿＿＿＿。