流星群

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「先輩、お疲れ様でした」 「お疲れ」 今日も形式的な会話だけ。 朝の挨拶。帰りの挨拶。 それ以外は事務的な話ばかり。 そんな私の最近の夜の日課は……。 ああ、またひとつ、またひとつ。 この夜に降り注ぐ流れ星。 何度流れて行こうとも、私の願いはひとつだけ。 「隣にあなたがいてほしい」 どれくらい願えば、この気持ちは伝わるの? 流れ星を見上げあなたを思い、思えることに幸せを感じなから、この願いをかなえるために数日の間は眠れそうにありません。 ああ、またひとつ、またひとつ。 この夜に降り注ぐ流れ星。 たとえ散り行く運命(さだめ)でも、燃えて輝くその一瞬の姿が、玉砕を怖がるいまの私には、たまらなく羨ましい。 END.
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