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想いをギターに乗せて
サムネ(桜の木の下でギターを弾く図)
幸夫「それじゃ」~遥「…ありがとう」
ここまで【録音音源引用】
(電車音)フェードアウト
「あ…行っちゃったか。。」
(タイトルコール)BGM入れる
春風は電車に乗って
スピンオフ作品 「幸夫編」
(農作業をしている音)
(クワを振りながら、心の中で話す)
(遥が夢を追い求め、東京へ旅去ってから
ひと月が経とうとしていた。
俺の心は未だ、遥への想いが残ったままだ。
あれから、遥からの連絡は1度もない。
夢に向かって上手く頑張れているだろうか?
壁にぶつかって落ち込んではいないだろうか?)
(クワを止めて、声に出す)
「いや、、、俺は応援するって決めたんだ。俺がここで、遥に会いに行ってしまったら、邪魔してしまうかもしれない。いつか、東京で成功して有名になって帰って来るのを待とう。」
どこか身の入らない、ただひたすら黙々と農作業をする日々だった。
-ギターを弾いている-(春よ来い)
(心の中:遥、この歌好きだったよな。。。)
-電話-
「もしもし。あ、お疲れ。久しぶりだな、どうした?おぉ、俺んとこの収穫もまあボチボチだな。そっか、お前んとこも順調か。そりゃあ良かった。で、なんか話か?」
農家仲間から、合コンの誘いだった。
「ば、ばか言うなよ。俺はまだ、遥への想いが残ってるんだぞ。そんな気分じゃないよ。
・・・え、、まあ、向こうからは連絡ないけどさ。・・・まあ、気分転換に飲むくらいなら。うん、うん。来週土曜18:00に駅前集合な。分かった、はい。」切る音
(場面転換)
あまり気乗りしないが、良い気分転換になると思い、待ち合わせ場所へと向かう。
すると、そこには気立ての良さそうな1人の黒髪ロングの女性が立っていた。心なしか、雰囲気が遥に似ている気もする。
「初めまして。今日は宜しくね」
お店に入り、先程の女性に話し掛けてみた。
どうやらその女性は、都会で夢敗れて故郷に帰って来たという事らしい。
(夢を追い掛けるというのは難しいものなんだな。遥、大丈夫かな。。)
女性とは気が合い、すぐに打ち解ける事が出来た。帰り際、今度俺の仕事振りを見に行きたいと言ってきた。
少し照れくさかったが、承諾すると、彼女はニコッと満面の笑みで笑った。
「ははっ」
不覚にも少し胸がドキッとしてしまった。
それから女性は、何度も俺の仕事振りを見に来るようになった。
時には、手作りのおにぎりを握って来てくれたりした。彼女はお喋りが大好きで、何度も俺を笑わせたりしてくれて、一緒に居ると楽しかった。いつしか、遥への想いで塞ぎ込んでいた心が、すぅーっと軽くなっていくのを感じた。
(遥もきっと、自分の夢を追いかけて、幸せになっていくんだ。俺もいつまでもこんなんじゃ、遥に心配掛けてしまう。俺も幸せにならないとな)
その女性とは、自然な流れで交際するようになり、1年後、結婚をする事になった。
両親も嫁いでくる若い嫁を大歓迎してくれた。
その2年後、子宝にも恵まれ、幸せだった。
-ギターを弾いている-(春よ来い)
「あぁ、君か。いやね、この時期になると、この曲を弾きたくなるんだよね」
ギターBGM
(心の中)(遥、今どうしてますか?夢を叶えて頑張ってるかな?俺は今、可愛い奥さんと子供と一緒に幸せに過ごしてるよ。俺は、お前の事ずっと応援してるからな)
終わり
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