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「ようやく見つけてくれた……でもそのメガネのお兄さんは巷で有名なエセ除霊師! お金ふんだくって最近は動画投稿始めた人!」
「なんや?! エセ除霊師? お金ふんだくる?!」
虹雨の目は泳ぐ。
「おまえがおらんくなってからエセだとか詐欺とか言われるようになったんや! だったらその通りやってやろうって思ったんや!」
「詐欺は捕まるぞ! 能力悪用したらいかんやろ!!」
「二人ともまた喧嘩して!! 早くなんとかしなさいよ!」
女の子の腕も限界である。いや、それよりも1人でよくあの巨体の数人と数匹が固まっている幽霊に立ち向かってるのがありえないのだが。
すると由貴は何かを思い出した。近くにある女の子のジャックオーランタン、蝋燭で火が灯されている。それを拾って
「頭下げて! これ投げるから!」
由貴は力いっぱい幽霊に向かって投げた。
ぼふっ!!
幽霊にジャックオーランタンが当たり、中の火が燃え移り一瞬のうちに青い炎が包み込んで消えた。
女の子が幽霊たちから離れて由貴に抱きついた。
「おうっ……」
しっかり受け止めるがやはりその格好にドキッとしてしまう。
「ありがとう……」
「い、いえ、どういたしまして。ジャックオーランタン……燃えちゃった」
「大丈夫だよ。助かったんだもの……」
と女の子は由貴の腕の中からフッと消えた。
「残念やったな、せっかくのチャンスが。鼻の下伸ばしやがって」
「……伸ばしてない! て、ここは??」
2人は気づいたら空き地の上にいた。すっかり山開けて薄暗い朝。2人は見つめあって
「やっぱり噂のコンビニの跡地ーーー!!!」
その足元にはコンビニにあった水中花の鉢植えが転がっていた。
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