後悔先に立たず(旦那視点)

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翌日、小太郎の機嫌を取ろうと早めに帰宅した。 玄関先まで小太郎が出迎えてくれた。 ホッとしていると、小太郎は俺の匂いを嗅いできた。 今日は彼女と会ってないのに、ドキリとした。 妻が小太郎と俺を見て言った。 「お帰りなさい。私も今帰って来たばかりだから、夕飯はまだなの。 それにしても、小太郎はあなたが大好きなのね。」 いや、違う。 小太郎は君を守っているんだよ。 君が傷つかないように。 その日以降、頻繁に彼女と会うようになった。ホテルで過ごす彼女との時間は俺には有益で、全てから解き放されていくようだった。 そんな時に彼女から妊娠をしたみたいだと告げられた。 「えっ?だって、ゴムしてたから俺じゃない。」 「ゴムしていても妊娠する可能性は、ゼロじゃないのは知っているでしょう?」 「そうだけど、でも…」 「責任、取ってくれないつもり?」 俺はいつからか、深みにハマっていたらしい。 責任という言葉が今更ながら、重くて果たさなければならない事だと気づいた。 「わかった。妻に話すまで待ってくれ。」 「もちろんよ。奥様には申し訳ない事をしたわ。」 彼女がそう言ってお腹をさすった。 自分の子供が出来た事に少しの喜びも実感も無かった。
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