後悔先に立たず(旦那視点)

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妻に離婚を告げるとあっさり同意した。 俺の浮気に気付いていて、知らないフリをしていたのだ。 足元に小太郎がやってきて久しぶりに甘えてきた。 俺達の静かな戦いに、お前が謝れと小太郎に言われている様だった。 小太郎は妻に引き取ってもらう事にしてもらうと、妻は怒りと寂しさを隠しているように見えた。 憎んで欲しくて憎まれ口を叩いた。 「お前も小太郎みたいに可愛げがあれば…。」 「そうすれば変わった?」 「あぁ、変わったよ。」 「絶対、嘘。 あなたは自分の子供が欲しかったのよ。 だから、絶対に変わらなかった。」 俺は君との子供が欲しかった。 子供が出来なくても、一緒に年取っていきたかった。 何より君を愛していた。 失って気付いた自分が情けなくて、思わず目をそらした。 妻が引越しをするまでの間、俺はビジネスホテルに寝泊まりをした。妻には彼女の家に行くと嘘をついた。 それに妻は恐らく俺を見るのも嫌だろう。 妻は離婚に向けすぐに動き出したようだ。 一抹の寂しさを感じるが、これも身から出た錆。 あんな女と出会わなければ、こんな事にはならなかったと思うようになった。 彼女と会いたくなくて、携帯電話にメッセージを入れた。 『妻に君の妊娠を知らせた。 離婚する事になりそうだ』 彼女からの返信は無かった。
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