第一話 誕生!ボッキ〜マン!

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 令和のある夜、突如宇宙から隕石が太平洋上に向けて落下した。しかし、隕石は洋上に到達前に急に消え去った。アメリカのNASAをはじめ世界中の専門家も、隕石は大気圏で燃え尽きたと判断した。 落下地点の海底に、円盤型の宇宙船が不時着していた。円盤内には、13人の地球人女性型エイリアンが搭乗している。その中でひときわ背が高くガッシリした女性が船長席だろうか、足を組んで座っていた。襟首の赤いスカーフに、チェスのKINGのマークが描かれていた。KINGを囲むように、3人の屈強な女戦士が腰かけている。搭乗員全員が真っ赤な戦闘スーツを着こなした赤い女戦士(レッドアマゾネス)軍団だ。 操縦士らしきチェスのポーン(兵士)のマークのスカーフをした女戦士が、円盤を着陸停止させると、 「モンロー様、目的地 太陽系第三惑星 地球に到着致しました。」と報告した。 「よし。すぐに母星に連絡を取れ。」 KINGのマークをつけた、モンローと呼ばれた戦士が指示を出した。 通信担当の別のポーンの女戦士が直ぐに対処する。 「母星へコンタクト、スクリーンにホッシーナ女王様です。」 前面の大スクリーンに、王冠を被った女王が映し出されると、乗組員全員がその場で右膝をつき、ひれふした。KING モンローが口を開く。 「ホッシーナ女王様、予定通り地球に到着いたしました。侵入をこの星の住民に気付かれてはおりません。」 報告を受けたホッシーナ女王が口を開く。 「よろしい。すぐにその星の重要な13の資源を根こそぎ回収し、我らの星に持ち帰るのだ。」 「かしこまりました。恐れながら申し上げます。何故、このような原始的な文明の惑星の占領に我ら精鋭部隊を派遣されたのですか。」 モンローの質問に女王が返答した。 「うむ。実は今から50年前にも一度地球を襲撃したのだが、一人の地球の戦士に全滅させられたのだ。」 円盤内に動揺が走る。 「何者ですか。それは。」 モンローが質問すると、女王は厳しい顔で答えた。 「我々の常識が効かぬ奇怪な接触技を使い、我々の急所である金属貞操帯はおろか、金属処女膜をも突き破る技を持っている。その形態は様々に変化し、あらゆる戦闘に対応出来る恐るべき戦士だ。」 ハイ、保健体育教師 静香先生の解説コーナーよ。 貞操帯(ていそうたい)とは、装着する人が、性交(セックスの事)や自慰(オナニー、後で解説)を防ぐ施錠装置つきの下着のこと。主に、妻あるいは娘、性的パートナーの純潔を求めて、性交渉を不可能にするために用いられます。 処女膜とは、膣口にはっている膜のこと。膣口を全て覆ってはなく、もともと穴が開いています。 これが性交渉の時に裂けて出血します。 これが処女喪失ね。この時が痛いの。処女膜は性交渉だけでなく、スポーツや自慰行為でも破れることもあります。ああっ、私も早く理想の男性に破られたい。 自慰行為とは、性交によらず自分の性器を直接に刺激することによりオルガスムス(快感、満足感)を得ようとする行為でオナニーともいいます。多くは手によって性器を刺激したり、手以外の器具を使用することもあります。自慰をする際は性的空想(好きな人とエッチしてる事を考える)を伴うのが普通である。思春期の子供たちは、したい時、病気ではないかと相談にくる学生さんもいるけど、至って正常な事だから気にしないでくださいね。   以上、静香先生の解説コーナーでした。またね! 再び円盤内、KINGモンローが口を開いた。 「かしこまりました。速やかに資源を回収し、その戦士を抹殺致します。その戦士とは?」 女王ホッシーナが返答した。 「その星に日本と呼ばれる国の大阪と呼ばれている街がある。その中に、地球人の守り神を祀る神社という場所があり、そこの何処かに潜んでいるらしい。名前は、ボッキ〜マンだ。何故かわからぬが、我らが資源を回収しようとすると目の前に現れ、戦闘が終わるとすぐに消え去る、我らのセンサーにも反応しない厄介な相手じゃ。」 「かしこまりました。女王陛下。直ちに行動を開始いたします。必ずや、ボッキ〜マンを探し出し、八つ裂きにいたします。」 KINGモンローは力強く回答した。 「任せたぞ。我が最強の戦士たちよ。地球は宇宙でも稀な美しい星だ。だが、そこに住む住人は、皆自分の利益しか考えず、環境を汚し、争いの絶えない愚かな人種だ。我らが資源を略奪し、地球人を自滅させ、新たな星に作り替えるのじゃあ。」 「仰せのままに。女王陛下。」   ホッシーナ女王は満足げな笑いをし、通信を切った。 KINGモンローは、スックと立ち上がると、全ての部下に命令した。 「行け!我がレッドアマゾネスの精鋭達よ。これより世界に散らばり『資源の種』を回収せよ。」 「ハッ!」 アマゾネス軍団が、一斉に世界へワープし散らばった。その時、KINGモンローが、1人のポーンを呼び止めた。マフラーには、ポーン(兵士)No.10と書かれている。 「ニッケルのマリア」KINGモンローにマリアと呼ばれた女戦士がモンローの前にひざまずいた。 「これより、ロシアという国で『ニッケルの種』を回収したら日本へ飛べ。大阪にあるという神社をしらみ潰しにあたり、ボッキ〜マンを探し出し隠密に抹殺するのだ。我々の動きを地球人達に察知されぬようにな。場合によってはソルジャーの使用も許可する。行け。」 マリアはニヤリと笑うと、 「かしこまりました。モンロー様。必ずやご期待に応えてご覧に入れます。」 そう答えるとマリアは煙のように消え去った。 「ボッキ〜マンか。何やらそそられる名前だが、どんな敵だろうな。さて、私も資源の種を取りに行くか。」 KINGモンローは、静かに円盤の奥に消えた。 地球人の誰も知らない海底での出来事だった。 そう、ただ1人を除いては。
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