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それを真っ直ぐに構え、ルビーは目を閉じた。
まぶたに浮かぶのは、真っ黒な景色。
何も思い出せない、お母さんのこと。
それを包み込む、赤い炎。
「お前、まさか……」
男の驚いたような声に、ルビーは目を開く。
男の黒い髪が、赤い光を反射している。
「宝石の力を持ってるのか……!」
男は剣をしまい手をかざす。
その手の周りに、黒いもやが浮かび上がった。
同時に、ルビーの鉄パイプを炎が舐める。
不思議と、ルビーは驚かなかった。
なるべくしてなった。その言葉がぴったり。
そんなことを思いながら、ルビーは駆け出す。
そして、振り上げた。
「あたしは、守れるんだっ!!!」
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