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国境付近の緑豊かな地に、人だった者たちが足を踏み入れる。それはまるで、二本の足で歩く狼だった。人々は彼らを人狼と呼ぶ。
人狼たちは涎を垂らしながら、下りの山道を通るキャラバンを襲い出す。既にキャラバンは人狼に囲まれていた。悲鳴が聞こえる。
だが、犠牲者が出ることはなかった。王族であるルリ家の王子が間に合ったからだ。馬に乗る王子は、他の騎士を連れて、人狼たちへと駆け出す。
「行くぞ!」
と、金髪の王子が剣を掲げる。その剣の柄は液体でできており、王族しか握ることができない。水の剣。そう呼ばれる剣を人狼に向けると、剣先から水が放たれる。水をくらった人狼は勢いに押されて、倒れる。その隙に、騎士たちが人狼に槍を入れた。
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