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 ──あの日、エドワード様がいらっしゃった日から……少し、いえ、大きな問題が起きています。  私宛に、大量の手紙が送られてくるのです。──しかも、内容はいわゆる「ラブレター」(それも、これでもか──というほどの熱烈な内容)。 「今日は1、2、3……4、5……5!? 暇なのでしょうか……」 「昨日は3通……日に日に増えてますね」 「シノ……もしかして楽しんでます……?」 「めっそうもございません」  シノは白々しく言いきった。 「奥様の苦労を共に憂いております」  絶対嘘だ……。  ため息をつきながら、テオを呼ぶ。 「今日も、お願いできますか……」  テオは笑いを噛み殺しながら、手紙を切りきざんだ。  一応、シノも、手紙を切りきざむことくらいお茶の子さいさいなのだけど……やっぱりテオはナイフの専門家──跡形もないと言っても過言ではないくらいにきざんでくれる。 「わたしより適任者がいますよ」  と、テオを推薦したのもシノだ。  ──毎日毎日届く手紙を切りきざむ作業が面倒臭かったのかもしれない、と私は睨んでいます……。  なぜテオを巻き込んでまで、手紙の存在の抹消に力を入れているかというと……ウィリアム様です。  あの後──ウィリアム様は激昂して壁を殴り、拳が壁の中にいた部下の方の、みぞおちにクリーンヒットした……らしいのです。   そういう犠牲者が増えては困る──『仕事』に影響が出たら大変だもの。
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