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笑いのつぼに入ったのりおがある程度息を整え終わってから俺は自分の部屋に案内した。リビングにある机に案内して、紙コップを取り出し、のりおの前に置く。のりおは、「ありがと」と少し小さな声で御礼を言って、俺の部屋を見回した。
「鈴ちゃんは一人部屋なのね。少し寂しくない?私は、2人部屋で相部屋の子もおしゃべりが好きな子だからいつも賑やかなのよ」
のりおは思い出したかのように笑って、「あなた趣味とかないの?あまりにも殺風景なお部屋よ」とコップのお水を飲みながら言った。
「クリスマスツリーは買いたいなとは思っているけど、それ以外はあまり部屋になにか飾りたいとかは思っていないなぁ」
俺は、そういうと、のりおは「なんでクリスマスツリー?」と不思議そうにつぶやいた。俺は、のりおと反対側の席に座って玄関から持ってきたカバンから教科書を取り出す。
「勉強をしよう。何から始めようか」
すると、のりおは「そうね」と言いながら、国語の教科書と漢字ドリルを取り出して、勉強を始めた。俺は、のりおを見ながら、数学の教科書を取り出して、勉強を始める。わからないところが、あってのりおに声をかけて教えて欲しいとお願いすると、のりおは嬉しそうにわかりやすく丁寧に教えてくれた。のりおも国語の教科書を見ながらわからないところがあるといい、俺に聞いてきて、のりおに習った時のように分かりやすく丁寧に頑張って教えた。
のりおは、勉強会の間ずっと嬉しそうにニコニコとしていて、楽しそうだった。
7時になると、のりおは背伸びをした。
「もうおわりましょっ!お腹すいたから食堂にいきましょうか。早くいかないと唐揚げ定食が売り切れてしまうわよ」
のりおは、勢いよく立ち上がってまだ座っている俺の手をひっぱりながらドアへ移動する。
俺は慌てて立ち上がった。
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