1年目【夏】

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カーテンから差し込む光で目が覚めた。 目をそっと開けると、すでに日は登っていて、慌てて体を起こした。 時計を見ると、もうすでに午前9時。 遅刻してしまうと慌てて朝の準備を済ませ、制服を着て携帯で天気を確認しようと電源を付ける。天気の情報とともに日付が目に入った。 現在夏休み。毎年、夏休み初日には、学校があると思って慌てて準備をしてしまう。毎年恒例であった。 ちょっと、恥ずかしくなって、赤くなった顔を両手で隠した。 「誰にも見られてないから大丈夫」 と、つぶやきながら、誰もいない自室をきょろきょろと見回して、慌てて制服を脱いで私服に着替えた。ちょっと深呼吸をして、気持ちを落ち着かせながら、何か食べようと冷蔵庫を開けた。しかし、中身はからっぽで何も入っていなかった。ご飯を食べなければお腹がすいて頭が回らなくなって勉強の進み具合が悪くなってしまう。今まで、ゼリーだけで過ごしてきたが、夏休みで時間もとれる今、まともなものを食べたい。 「めんどくさいなぁ…」 カーテンを少し開けて、外を覗いでみると、太陽がまぶしかった。とても暑そうだ。あまり外に出ないので、長時間の外出は危険である。しかし、食堂が休みの今外に買い物にいかなくてはならない。 学校で配布されたタブレットで、できるだけ近くで安く食品を買うことのできるお店を探してみたが、ここはお金持ちの生徒が多い学校である。その周りのお店も高級なお店が多くて、安く商品を販売しているお店が見つからなかった。しばらくタブレットで根気強くお店を検索すると、一時間ぐらい歩いたところに、小さな商店があるらしい。口コミでそのお店の事を調べてみたが、そこは、おじいさんが経営しているお店で商品が安いが接客がとても悪くあまり評判の良くないお店そうだ。 「あまり嫌な思いはしたくないけど…」 安さに勝てるものはない。そのお店に行こうと決め、タブレットでお店の位置を確認し、カバンと帽子を持って玄関に向かう。最近は、咳が止まらないことが多いのでマスクと咳止めの薬をカバンに入れた。 忘れ物がないか確認をして外に出た。
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