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諒はたくさんの洋服の中から俺に会う服を選んでくれた。
「鈴はどのよう服が好き?」
「わからないよ。着れればなんでもいいや」
「よくない!せっかく綺麗な顔してるんだから、もうすこし洋服に気を遣うことをお勧めするわ」
「めんどk」
そう言い切る前に、諒は「これは?」と言ってハンガーにかけられた洋服を俺に差し出す。諒から洋服を受け取り値札を見た。すごく高くてびっくりした。
「え、こんな高い洋服買えないよ」
「私が出すわよ。問題ないでしょ?」
「は?そんなわけにはいかな」
「推しに、貢げるのよ。これは私の趣味よ。現実に推しがいて、本人に貢げるの。こんな幸せなことはないわ。私の楽しみを奪わないでちょうだい。」
そう言って、諒はいくつもの洋服を選んで俺に持たせ、試着室に、押しこんだ。そして、諒が満足いくまでファッションショーをさせられた。
洋服店からでると、諒は両手いっぱいに俺の服が入った紙袋を持っていた。俺には、一つも紙袋を持たせてはくれなかった。一つだけでも持たせて欲しいと頼んだけれど、
「推しに持たせるなんて、私になんてことをさせるの?」
だと言って譲ってはくれなかった。二人で会話をしながらゆっくりと歩いていると、こじんまりとしたカフェがあった。
「ここでお昼ご飯をたべましょうか」
と諒は、カフェを指さして俺の手をひいて、お店の中へ誘い込んだ。
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