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その後、15分後だ。
暗闇に幾つも光が。右から左から照らされた。スマホとカメラを使って放たれた光が4つ。暗闇の空間は井戸のある洞穴のようだ。
歌を歌っていたのは20歳程の髪の長い女性のようだ。綺麗な大きな瞳は化粧とコンタクトの力を最大限に生かしたものだ。
そして光を放ったカメラが女性が最も可愛く映る斜め上30度位に移動する。
「15分経ったけど…何もありませんね!
あー怖かった…!なんにも起きなくてよかったわ!ねぇ、ちょっと太鳳ちゃん!脅かそうとしてたでしょ?やめてよ〜。」
女性はさっきまでのしんみりとした空気と打って変わって軽快なトークを繰り広げる。そしてまたカメラに向かって話す。
「それでは私、リンリンの挑戦バラエティの『リアリー?』チャンネル。今回は噂の恐怖都市伝説に挑戦でした!
こちらからチャンネル登録してね〜。」
最後の最後は上目遣い。そして終わったと油断した顔を見せて、カメラが止まってないのに気づいたフリをして追加のウインク。かわいい彼女のウインクはきっとまたネットニュースになろうことを、彼女が一番良く知っていた。
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