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彼女は今、有名なインフルエンサー、動画投稿チャンネルを行う。リンリンの愛称で色んな、噂に体当たりで挑戦する『リアリー?』のチャンネルは今や人気コンテンツだ。 スタッフと合わせて4人で今度は動画の編集だ。 「…だけど、リンリン?こんなホラー系のよくやったね。私怖いわ。」  「そうでしょう?だからいいのよ、太鳳ちゃん。」 リンリンは同じく編集を行う女性の太鳳に笑っている。 「僕も怖いですよ。都市伝説でも『かごめかごめ』は色々言われる怖い話しがあるじゃないですか?」 「あれー?(だん)君も意外とこ、わ、が、り?」 カメラを持っていた弾がリンリンに両手に指さされてからかわれる。 「…『かごめかごめ』の資料を集めできました。」 もう一人、背の低い男性が書類を出す。 「ありがとう〜。さっすが、山坂(やまさか)君は仕事が早いね!」 リンリンは山坂から貰った資料を並べる。 「…えっと…それじゃいくつか有名な文書から、『かごめかごめ』の歌詞を抜粋して、それからこの場所で歌うと呪われるという、噂の文献を出していく。それも後で撮って合わせないとね。」  「…しかし、『かごめかごめ』はやっぱり不気味ですよ。鶴と亀が滑るなんて。鶴は千年、亀は万年の生き物が滑るから死を意味するのも分かるし…。」  弾は少し怯えているが、リンリンは腰に手を当ててため息だ。 「そんなわけないでしょ?昔の歌だから文化や風習が残ってるだけ。それに私の地方では『かごめかごめ』にその『鶴と亀が滑った』の歌詞は無いのよ。『つるつる滑った。なべなべ底抜け。』。」  「それは『なべなべ底抜け』って別の歌と一緒になってるだけじゃ?」 「でしょ?それでも文献とかにはこっちの歌詞のが乗ってるの。きっと少しずつ間違えて広がってるの。子どもたちが知ってる言葉並べて。それから変な噂をつけるのよ。」 リンリンは強く弾を説得する。
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