集会の夜

　そして次第に家の猫自慢、自分がどれだけ猫好きなのかを皆主張し始めた。

「保護した当時は怯えたり凶暴だった子も今じゃすっかり甘えん坊。愛情が大事よね」
「家の猫はキャットショーで何回も優勝してるの」
「私は毎食手作りの餌をあげてるわ」
「我が家は庭を全部砂にしてスナネコを飼ってるんだ」

　次第に皆ヒートアップし場が荒れてきた。そして遂に戦いの火蓋が切られた。

「珍しい猫を飼うのもいいけど、捨てられて保健所にいる猫達を引き取ってあげるのが本当の猫好きなんじゃないかしら？」
「大体ブリーダーが儲けるために猫増やし過ぎなのよ」
「そうそう。海外じゃ注文受けてから繁殖させるんでしょ？　待てないようじゃ飼う資格ないからって」
「簡単に手に入るものは簡単に捨てちゃうからね」
「ちょっと待ってよ。私は猫の可愛さをみんなに知って貰いたくて繁殖させてるのよ。食事やトイレの世話も大変だしお金掛かるから儲けなんて少しよ」
「世話が大変だったらブリーダーやめたら？」
「嫌だなんて言ってないでしょ？　好きだから大変な世話も楽しいわよ。それより保護猫の猫カフェなんて話題作りなんじゃないの？　良い人を演じて商売にしてフォロワー集めて」