お願いだから、話してよ

1. 初めての恋

それでも、わざわざ女子大を選んだのがしっくりこない。
僕が居るから、逆に共学に行く必要がなかったってこと？いや、それなら尚更、女子校はダメなんだよ。

僕が『そこ』に入れないんだから。僕は大学も、君と一緒に行きたかった。

せめて近い場所をと、僕は君が受けた女子大に一番近い国立大を受けた。
結果としては受かったけれど、それでも遠距離といえば遠距離。僕が人生の選択において一番後悔していることかもしれない。

やっぱり、私立でもいいからもっと近い大学へ行くべきだった。もしかしたら、それで君の自殺を止められたかもしれない。君の役に立てたかもしれない。
地元を出たことで、昔ながらの知り合いなんて僕しかいなかったのだから。

偶に君の様子を伺いに行くと、明らかに表情は曇っていた。中学の頃の、あの天真爛漫な君からは想像もできない重苦しい表情。

間違いなくあれは、何か思い詰めていたに違いない。最初は新しい環境に慣れていないせいかとも思った。地元を出るとよくホームシックになると聞くし……僕は地元より君と離れる方が苦痛だけど。