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ぐっ、と喉の奥に大胆に突っ込んだマーサに溜め息が溢れる。恍惚とした溜め息だろう。亀頭とカリ部分を丹念に舐め上げるマーサの赤い舌。──どう? 上手いでしょ? そう言いたげにこちらを上目遣いで見つめるマーサの後頭部をゆっくりと撫で上げる。ちろちろといやらしく口から出た舌はまるで蛇のそれで、もっと大胆に息が荒くなっていく。陰茎をしごくのも忘れないのだから良い子だ。
「……は、上手だな」
「きもぉち?」
私のペニスで口をいっぱいにしているマーサは多分、気持ちいい? と訊きたかったのだろう。まだ彼を可愛いと思える余裕があるのかふ、っと笑ってしまう。彼の髪の毛に指を通し口角を上げる。
その私の余裕が気に入らなかったのか、尿道を舌先でグッと押される。バチバチッと目の前に火花が散りびくり、身体が跳ねる。シーツを握り締めたその瞬間に今度は尿道を吸われ、またも腰が浮く。荒い息遣いになってきた。そんな私を楽しげに見つめるマーサ。
「俺、負け戦を勝ちにすることに興奮するって言ったっけ?」
「……っあ、言っ、た、」
「イッた? イッたって言った?」
意地悪く口元を拭い、そんなことを言うマーサ。彼は間違えている。これは負け戦なんかじゃない。
ふふっと妖艶に笑うマーサはまた大きい口を開いてペニスの頬張る。口の端から唾液と私の体液がつぅ…と流れ出ている。それを流したまま私のものを頬張る彼を見るのはくるものがあった。咥えたまま吸い上げ、睾丸を優しく撫で回す。苦しい。気持ちいいのに苦しくて愛おしい。
「すまない……」
「んっ!!」
私はマーサの後頭部をぐっとペニスに押し付ける。更に喉奥まで深く入ってくるマーサの口。マーサの後頭部を持ち、がつんとピストンする。その行為がイラマチオだということは理解していた。喉奥まで突っ込まれ、えずきそうになっているマーサの表情が背徳感をもたらす。涙と唾液でぐちゃぐちゃになった彼は私の物だった。がつん、がつん、マーサの頭をリズミカルに打ち付ける。
「……っ!!」
びゅくり、マーサの口に白濁した欲が吐き出される。搾り取られ少し脱力した身体を慌てて引き起こす。ペニスを引き抜くとだらりと垂れ下がった下品な唾液。快感で同意もなくイラマチオをしたことに反省が孕む。ほおに手を添え、マーサを伺う。
「マーサ、すまない……」
「びっくりしたけど良いよ、大丈夫」
涙で滲んだ彼の瞳をゆっくりと拭う。にしし、といつも通りに笑う彼を見て安心した。ほ、っとひと息ついてしまったが、ん? と疑問に思いマーサを見る。
「君、もしかして飲んだ……?」
「血よりは美味しいものだよ」
あははとジョークを交えて言うものだから、申し訳ない反面同じく笑えてしまった。私はそんな可愛らしい子の唇にキスを落とす。
「おいで」
「交代?」
マーサのペニスは私のものを咥えていたからか大きく反り返っていた。苦しかったからか私が外していないフロントボタンが外れていた。私はベッドに座り、マーサの服を脱がしていく。丹念に愛おしいと伝わるように。
「どちらを触られたい?」
私はボクサーパンツの前と後ろをひと撫でする。
「両方」
彼の言葉にゆっくりとパンツを脱がせた。顔に似合わない凶器が跳ね返りながら顔を見せる。
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