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「…っはぁ、ん」  甘く湿っぽい吐息が私の身体をいっぱいに包み込んで離さない。ふわふわとした雲の上にいるような浮遊感が私を襲う。ぐ、っと奥へ奥へと緩急をつけて侵食していく。その度にマーサと私の境が無くなっていく。境界線が無くなっていく。  マーサにもっと快感を得て欲しいと、ピンク色の乳首をぺろりと舐め、吸い上げ、舌を絡み付ける。ぴくんと腰が跳ね、その度にきゅぅぅと中が締まっていく。 「本能かい…それとも意図的にしているのか……? イキそうになるよ」 「なら、どーぞ」  そう中の収縮を褒めた瞬間だ。ぎゅっと中が締まり、慌ててぐっと歯を噛み締める。肩がふるり、震える。イクのを我慢してはぁ、と吐息が漏れた。その吐息がマーサのあははという笑い声と混ざる。危なかった。キツく締まったそこに持っていかれそうになった。マーサはまだ余裕があるようで意図的に中を締めることができる様子だ。私はマーサを上から睨み付ける。 「堪えてる表情いいね。余裕がないって感じ好き」 「ホントにくそガキだな」 「お褒めに預かり光栄」  楽しげに笑うマーサは私の背中に手を回す。くすくすと笑いながら私の耳元に──ごめん。という言葉を入れた。謝る気なんて全くない。その生意気な態度にぷつり、なにかが切れる音がした。私は一度、ずるりと中からペニスを出す。マーサが、どうして? と少しだけ物欲しそうに切ない顔をするから、ふっと笑える。欲しいと口にしなくても体現している。そんなマーサの穴にズンと一気に奥まで突き上げる。 「あぁ!!」  背中を逸らせ顎を天井にあげたマーサ。仕返しには上出来だろう。がつん、ばつんと激しく腰を動かす。マーサのペニスを扱くのも忘れない。硬くガチガチに反り返るマーサの凶器。 「まえ、っも! ヤぁ! や、だ、ぁ! イあ」 「中うねっているよ」  私はマーサの腹を上から押す。苦い表現と恍惚な表現がないまぜになっているマーサの耳に──ここまで入ってる。と言葉を落とす。するとぎち、っと音が立つかと思うほどに中が収縮した。く、っと私も喉を締めイクのを我慢する。背中に回っていた手。爪が皮膚を引っ掻く。多分今ので一回達したのだろう。荒く息を吐くマーサの耳を甘噛みして、舌を這わせてから軽くキスをした。 「……仕返しは成功か、な?」  とろん、と蕩けた眼球と唾液の垂れた口元。マーサのこんな表情をはじめて見てしまい、私はごくりと唾液を飲み込んだ。それを悟られないようにマーサの唇にキスを落とす。 「わ、わい、ワイあっと、なんて……っ、き、嫌い……」 「ベッドでそんな事を言わないでくれ」  私はまたゆっくりと腰を揺らしていく。リズム良く引いては押す、押しては引く。キスをしながら、マーサのペニスを扱きながら。愛おしく腰を動かした。 「今更だか、君の物は顔に似合わず大きいね」  もうマーサのペニスはぐちゅぐちゅだ。先程イッた時、射精していたようで腹の上は白濁色で彩られていた。亀頭にゆっくりと触れ、陰茎を握る。 「…っまぁ、また出ちゃ…う! か、らぁ」 「どーぞ」  私の仕返しは止まらない。今まで負けてばかりの日々だった。  下唇を噛んで眉間に皺を寄せるマーサ。私だけに見せてくれるマーサ。私だけのマーサ。幸せだ。 「可愛いね」
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