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2.クラス会
アリスの意見が通り、クラス会が開かれた。アリスは委員長なので、前に出て話し始めた。
「今日は皆の協力を得るために、この会を開くことを許してもらいました。私の意見を聞いて欲しいです」
皆は「なんだろう…」とか言いながら少しザワつきだした…。
「ズバリ話しますね。今のこの5年生のクラスのまま、クラス替えをせずに、6年生になることに同意をして欲しいと思っています」
「アリスー!それって…それって私のためなの…?」
レイラが右足だけで立ち上がり、そう言った。
「ううん、違うよ!これは皆のためになると思ったんだよ?レイラ一人だけのためじゃないの…」
「私が補足しましょう」
と先生がそこで発言した。
「アリスちゃん…いいえ、委員長の狙いは、このクラス全員の団結になるとも言えます。もちろん、レイラちゃんのこともありますが、問題はそこではありません。この1年間で培ってきた皆さんの行動は、先生から見ても素晴らしいものがありました。もちろん、この私もとても大切なことを学びました。レイラちゃんを例えに挙げさせてもらって悪いですが、身障者のこともその一つですね。レイラちゃんは2年生からずっと辛い思いをしてきたと聞いています。が、ここに来てからは生き生きとお勉強をし、クラスにも溶け込むことが出来ました。それは、委員長をはじめとする、皆さんの努力のたまものなんですよ」
そこでアリスが、
「先生!あとは私が!」
「アラ、失礼。ごめんなさいネ。つい…」
アリスが先生の話を引き継いだ。
「クラス替えをしないという考えは、このいい雰囲気のままで、皆で卒業したいと思ったの。それには春休みにある、「総合職員会議に、皆の署名を提出したほうがいいって先生が言うので、このノートに名前を書いて欲しいの!もちろん、1組だけでなく、3階にある5年2組の皆にも協力を頼むつもりです」
と言って、A4のノートを高々と掲げた。
「やっぱりレイラのためじゃん」
と誰かが言い出すと、直後に
「レ・イ・ラ!…レ・イ・ラ!…レ・イ・ラ!…」
と、最後はレイラコールが起き、会議は終わった。
レイラはアリスを見つめ、静かに泣いていた…。
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