辛杉家の憂鬱 シゲキ編2 ホラー?との遭遇

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 二日目。またもや見えない手に背中を押されて車道に飛び出した。結果スタントマンばりに車の上を転がって着地した。  三日目。駅のホームから突き落とされたので、即ホームに飛び上がって事なきを得た。俺の脚力をなめんな。  四日目。道を歩いていたら建設途中のビルから鉄パイプが降ってきた。直前に作業員のおっちゃんの「ファーッ!」って声が聞こえたので、見上げると同時に回避した。  で、五日目がさっきのだ。  ボールの次に植木鉢。仕掛けが二段構えになっているのがもう嫌だ。  でも今のところ大きな怪我はない。言いたかないが、自称冒険家の親父の英才教育の賜物だった。  でもさすがに、五日もこうだと気が滅入る。ああ、気分のせいか体が重いな。いつまで続くんだろうか。  頭を抱えながら家路につく。うちの家族構成は父、母、俺、弟、妹。この時間なら誰かしらはいるだろう。  そう思ってただいまとドアを開けると、大荷物を抱えた母がバタバタと玄関にやってきたところだった。 「夜逃げ?」 「違うわっ」  くわっと牙を剥いた母の蜜子は、靴を履きながら早口で言った。 「ララが部活の途中で倒れたんですって。入院することになったから、お母さん病院に行ってくるわね!」 「は⁉」
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