789人が本棚に入れています
本棚に追加
5 幼馴染みから恋人へ?
「なんだって?」
「だから、コウちゃんも一緒に住めばいいじゃん。W大ならここからのほうが近いし。あ、家賃はいらないよ? ほかのお金も俺が出すから心配しないで。服とか、あと大学で使うものとかは家から持ってくるとして、食器とかは買えばいいよね? ネットでもいいけど、一緒にお店に行くのもいいなぁ」
「いやだから、ちょっと待てって」
「そうだ、ベッドも買い替えよう。大きさは同じくらいでいいとして、寝心地とかコウちゃん好きなの選んで。あとシーツとかもコウちゃんが好きなの買おうね」
「いやあれダブルとかってサイズじゃねぇだろ。そんな簡単に買い替えたりすんなよ、もったいねぇだろうが」
「大丈夫、大丈夫。あれクイーンサイズだけど、キングサイズのほうがいい? 部屋はちょっと狭くなるけど、どうせ寝室にはベッドしか置かないからそれでもいいかなぁ。それに一緒に寝るなら大きいほうがいいだろうし」
「そりゃあの部屋の大きさなら、もっとでかいベッドでも置けるだろうけど……、って、ちょっと待て。いま、一緒に寝るならって言ったか?」
「言ったよ? だからコウちゃんが好きなベッド選ぼうね。俺にこだわりはないけど、強いていうならスプリングはしっかりしてるほうがいいかなぁ。そのほうが寝心地いいし、気持ちいいし」
幸佑の言葉にポカンとしてしまった。そもそも、どうしてオレと幸佑が一緒に住む話になっているんだろうか。これまで一度もそんな話をしたことはないし、オッケーもしていない。それなのに、昼飯を食べ終わったら一緒に住むことが決定しているような話になっていた。
(つーか、一緒に住むにしても同じベッドで寝るとか、絶対おかしいだろ)
昔は一緒に寝ていたし風呂も一緒に入っていたが、それは小さかったからだ。いくら幼馴染みでも二十歳を過ぎた男同士で同じベッドに寝るなんておかしすぎる。
(って、そうじゃなくて)
そもそも同居が決まっているかのように話が進んでいること自体がどうなんだ。
「つーか、なんでオレとおまえが一緒に住むことになってんだよ」
「だって俺、コウちゃんのこと好きだから。好きな人とは同棲したいもん」
「…………は?」
「うわ、コウちゃんひどい。好きって告白したのに返事が『は?』とか、さすがにそれはないんじゃないかな」
いや、言葉の意味がまったくわからないんだが。
「まぁいっか。コウちゃん、いままで告白とかされたことなさそうだしね。これが俺じゃなかったら、告白されたのに即フラれてるよ?」
(待て待て待て、さっぱり意味がわからん)
オレみたいな平凡な男に告白するとか、誰だよおまえ。いや、目の前にいるのがやたらと綺麗な顔をした幼馴染みだってことはわかっている。ついこの間まで何人ものセフレがいたようなヤツだってことも知っている。
それなのに、オレを好きだとか何を言っているのか理解できない。本当に目の前の男があの幸佑なのか疑問に思った。
(そもそも、いままでそんな気配は微塵もなかっただろ)
小中高と多くの時間を側で過ごしてきたが、オレを好きだという気配は一切なかった。高校を卒業した後はさっさとここに引っ越したし、それからはたまにメッセージのやり取りをする程度で、今回の話がなかったら直接会うこともなかっただろう。
それが、どうして急にオレに告白するなんて展開になるんだろうか。
(つーか、最後の「告白されたことなさそうだし」って、明らかにディスってるよな)
そういうところは幸佑らしいが……って、だからいまはそういうことじゃない。
「おまえ、オレのこと好きって本気なのか?」
「うん、好き。大好き」
「ええと、それっていうのは」
「幼馴染みとしても好きだけど、そうじゃない好きのほうが大きいよ? 恋人になってっていう意味の好きってこと」
「……いつからだよ」
「たぶん小さい頃から好きだったんじゃないかなぁ」
「はぁ? いや、そんな気配全然なかっただろ」
「うん、俺も気づいてなかったんだよね。きっかけは、遠山さんに迫られてるコウちゃん見たときかなぁ」
「トオヤマさん?」
「ここで遭遇した俺の元セフレ」
あぁ、あの失礼な男はトオヤマって名前だったのか。
「あの人に迫られてるコウちゃんを見て、カッチーンて来たんだよね。俺の大事な幼馴染みに何してるんだって。それからずっと変なことばかり考えるようになったんだ。もしコウちゃんが誰かに告白されたらどうしようとか、誰かとキスしたら嫌だなとか、誰かと付き合ったりしたら俺はどうなっちゃうんだろうとか」
「トオヤマさんって人には何もされてねぇって言っただろ。それにオレ、誰とも付き合ってねぇし」
「知ってるよ。でも、そんな想像が止まらなくなったんだ。キスしてるの想像したら相手をぶん殴りそうだなぁって思ったり、誰かと付き合ってるってわかったら、コウちゃんここに閉じ込めちゃうだろうなぁって思ったりもした」
待て待て。いまとんでもない言葉が聞こえてきたぞ。
「それでね、気づいたんだ。俺はコウちゃんのことが好きなんだって。ずっと前から好きだったんだって」
「ずっと前って……」
「ん~、たぶん隣に引っ越して割とすぐの頃からじゃないかなぁ」
「は? おまえまだ三歳とか四歳とかだろ」
「あ、それよりはもう少し後ね。でも、少なくとも小学校に入ったくらいには好きになってたと思う」
「小学校……」
「抱っこしたとき何かいい匂いしてドキドキしたの覚えてるもん。そうだ! コウちゃんが中学に入る前、一緒にプール行ったことあったでしょ? あのときコウちゃんのちんこ見て、ちょっと興奮したんだよね」
「はぁ!?」
「そっかぁ。コウちゃんのことが好きだったから、俺男も平気だったんだなぁ」
「いや、それはまた別問題だろ」
「あはは」
笑っている幸佑に頭が痛くなった。突拍子もないことを言い出すのは昔からで、下半身に大いに問題があるのも昔からだ。それでも弟みたいに思ってきた幼馴染みだからか嫌いになったことは一度もない。
そんな幸佑がオレのことを好き……やっぱり理解できなかった。
「ね、コウちゃんは俺のこと嫌い?」
「いや、嫌いになったことなんかねぇよ」
「じゃあ好き?」
「そりゃまぁ、こうして面倒見に通うくらいは」
「それって、幼馴染みとして好きってことだよね?」
「そりゃそうだろ。オレはこの十数年、おまえを幼馴染みだって思ってきたんだぞ?」
「それもそっか」なんて言いながら幸佑の目がキラッと光った。すぐに「何かするつもりだな」と思った。幸佑は昔からよからぬことを思いついたとき、こういういたずらっ子のような顔をするんだ。
「じゃあ、こういうことしても俺のこと嫌いにならない?」
にっこり笑ったイケメンが両手を伸ばし、オレのほっぺたを両手で包み込んだ。「は?」と驚いているうちに綺麗な顔が近づいてくる。わけがわからず呆然としていると、チュウッとキスをされてしまった。
「ね、気持ち悪くない?」
(気持ち悪い以前に、いまのはオレのファーストキスだよ!)
大事に大事に取っておいた、というより取っておくことになってしまったオレのファーストキスを、よりにもよって幼馴染みの男に奪われてしまった。
「ね、ショックだった?」
そりゃショックに決まっている。そこまで思って「いや、思ったよりショックはねぇな」なんてことに気がついた。
「気持ち悪かった? 俺のこと嫌いになった?」
「……いや、んなことはねぇけど」
気持ち悪いとは思わなかった。トオヤマって男に腕を掴まれたときは鳥肌が立つくらい気持ち悪かったのに、どういうことだ。
(知らないヤツだったからか?)
幸佑に対しても失礼なヤツだった。それに腹を立ててもいた。
そう考えたら、よく知っている幸佑に触られて気持ち悪くなるはずがない。こうしてほっぺたを触られていても鳥肌が立つこともないし、キスには驚いたが嫌いになるなんてこともなかった。
(いや、キスはさすがに嫌いになってもいいんじゃ……?)
そう思ったものの、やっぱり嫌悪感が湧くこともない。
「ねぇコウちゃん、俺のこと好きになって?」
急に色っぽい声で話しかけられて、不覚にも腰が抜けそうになった。滅多に見ない真剣な眼差しにドキッとしてしまう。
(そういうことは好きなヤツにやれ、このイケメンの無駄遣いが!)
……って、そうか、幸佑の好きなヤツってオレか。そう考えると少しだけ顔が熱くなる。
「キスされて気持ち悪くも嫌いにもならないなら、コウちゃんも俺のこと好きなんだよ」
「いやいや、そりゃ性急すぎだしあり得ねぇよ」
「あはは、やっぱり流されなかったか」
「笑ってんじゃねぇよ……」
こっちは理解を超えた出来事にいっぱいいっぱいだというのに、元凶であるはずの幸佑は楽しそうにニコニコしている。しかも「コウちゃんも俺のこと好きなんだよ」なんて、とんでもないことを言い出しやがった。
(そりゃあ、幼馴染みとしては好きだけどよ)
それに一人っ子のオレにとっては弟みたいな存在だ。それなのに急に好きだと言われて、しかも一緒に住みたいとまで言われて混乱しないはずがない。そこを畳みかけようなんて、どういうつもりだ。
「つーか、ほっぺた揉むのやめろって」
「ムリ」
「いまいろいろ考えてんだから、大人しくしてろって」
「やだ」
「やだじゃ、って、こら、口撫でたりすんな、って」
「ムリ。好きな人が目の前にいるのに触らないなんて選択肢、俺にはないもん」
「もんとか、可愛く言ってもごまかされねぇからな」
「うーん、コウちゃんってば手強いなぁ。ま、簡単に流されないところも好きだけどね」
また好きだと言われて、どんな顔をすればいいのかわからなくなる。そういうことを言われ慣れていないからか、顔が熱くなっているような気がした。
「あれ? もしかして照れてる?」
「うるせぇ」
「もしかして俺に気がある? もしかしなくても脈あり?」
「やかましい。とにかくいろいろ保留だ」
これ以上好きだと言われるのはよくない。そう思ったオレはまだほっぺたを撫でている幸佑の手を叩いて立ち上がった。触れられていた部分がやけに熱くて、ごまかすようにほっぺたをゴシゴシ擦る。
(よし、食器を洗ってしまおう)
こういうときは気分転換に違うことをするに限る。食べ終わった皿を重ねて流しに持っていこうと後ろを向いたところで、背後からギュッと抱きしめられてドキッとした。
「俺、絶対に逃さないからね、コウちゃん」
聞いたことのない幸佑の真剣な声に、不覚にも動けなくなってしまった。
* *
「はい、あーん」
「あーんじゃねぇよ」
ブドウが食べたいと言い出した幸佑は、一緒に行ったスーパーでやたら高い黄緑色のブドウをためらうことなくカゴに入れた。ギョッとしているオレに気づくことなく、ブドウとは真逆のお徳用ポテチやら炭酸飲料やらもカゴに入れ、レジで真っ黒なカードを出した。
そうしてご機嫌で帰宅した幸佑は、なぜか馬鹿高いブドウを一粒摘んでオレの口に入れようとしている。
「じゃあ、俺にあーん」
「自分で食え」
「えぇー」
唇を突き出す膨れっ面でもかっこよく見えるなんて、この男は心底イケメンなんだなと感心した。それはそれとして、目の前のブドウは食べてみたい。差し出してくる一粒を無視して、自分で摘んだ一粒をおそるおそる口に入れた。
(……やべぇ。なんだこれ、超うまい)
とんでもないおいしさに、まだたんまりあるブドウの房を凝視してしまった。
「ね、おいしいでしょ?」
「おまえ、いつもこんなもの食べてんのかよ」
「たまにだよ。お店から持って帰って来たのを食べてからは、ブドウって言ったらこれって感じになっただけ」
お店からってことは、おばさんが持って帰ってきたってことか。おばさんが経営しているお店はとんでもない高級店らしいから、そういうところで出すブドウだと言われれば納得できる。
「一緒に住めば、いつでもこういうの食べれるよ?」
「そんなんでオレが懐柔されるとでも思ってんのか」
「思わない。でもそういうことくらいしか、俺がコウちゃんにしてあげられることなんてないもん」
そう言った幸佑が少しだけ寂しそうな顔で笑った。そんな顔を見せられたら「じゃあ一緒に住むか」なんて言ってしまいそうで、慌てて艶々のブドウに視線を戻す。
結局、夏休みが終わってからもオレは幸佑の部屋に通い続けていた。さすがに週三回は無理だが、「じゃあ週末は絶対来て」とねだられて金曜の大学終わりに行くことにした。
最近じゃいろいろ面倒くさくなって、そのまま泊まることもある。そういう日は幸佑がやたらと機嫌がよくて、今日も夕飯後にわざわざブドウを買いにスーパーまで行ったくらいだ。
(ほんと、なんでオレみたいなのがいいんだろうな)
久し振りに行く大学では、オレみたいな平凡なヤツは見事なほど周囲に埋没した。幸佑ほどじゃないにしても、そこそこイケメンな野郎たちの周りにはそれに見合ったイケメンやかわいい子たちが集まっていて、普通はこうだよなと思ったりもした。
幸佑の周りも昔はそんな感じだった。オレが知っているセフレたちも大体がかわいいか美人だった。
(さっぱり意味がわかんねぇ)
意味はわからないが、幸佑が本気らしいことは何となくわかってきた。そのせいで今夜も恒例の攻防戦が勃発している。
「ねぇ、やっぱり一緒にお風呂入ろうよ」
「嫌だ」
「えぇー、なんで? 別に何もしないよ? コウちゃんの裸ちょっと見るくらいだよ?」
「最後のが問題だろうが! おまえ、あれはちょっとじゃねぇだろ! あんなジッと見やがって、あれじゃ、なんつーか、」
「視姦されてるみたい?」
「やっぱりそうだったんじゃねぇか!」
前に一度、しつこく頼まれて一緒に風呂に入ったことがあった。「さすがにそこまでじゃないだろ」と思っていたのに、あのときはえらい目に遭った。
(あんなにじっくり見やがって……)
オレにその気がなくても、あれじゃ気になるに決まっている。おかげでオレまで幸佑の裸体が気になってどうしようもなくなった。
「約束どおり触らなかったのに」
「しおらしく言っても駄目なもんは駄目だ!」
あれ以来、風呂は頑として一人で入るようにしている。先に幸佑に入らせ、それから入れば風呂掃除ができるからという至極まっとうな言い訳もできた。実際、母さんも同じことをやっているから間違ってはいないはずだ。
「見るくらいいいじゃん。別に減るもんじゃないし」
「やかましい、オレの平穏が減るわ。つーか、ドライヤー使えよ。髪長いんだから風邪引くぞ」
「面倒だからいい」
「あー、ちょっと待て、滴垂れてんだろうが! ほら、こっち来い。ここに座れ」
サッと風呂掃除まで済ませて風呂から出たら、幸佑が脱衣所で待ち構えていた。大慌てで着替えながら言い合うのだが、出てくるのを待っている間に髪の毛くらい乾かしておけばいいのに面倒くさがるのは昔のままだ。
逃げようとする幸佑を捕まえ、やたらスタイリッシュな椅子に座らせてドライヤーをつける。家で聞き慣れたブオーッて音がしないから、このドライヤーも高いやつなんだろう。「使わないともったいねぇだろ」と思いながら幸佑の髪を指で梳いた。
(金髪っぽく染めてんのに、髪は痛んでねぇんだな)
こういう色に染めると毛が傷みやすいと聞いたことがあるが、幸佑の髪はスルスルのスベスベだ。使っているシャンプーとかもスーパーで見たことのないものだから、そのおかげかもしれない。
「コウちゃんの手、気持ちいー」
「そうかそうか、次からは自分で乾かせよ」
「やだ」
「子どもか」
「違うよ、恋人だよ」
何でもないことのように出てきた言葉にグッと言葉が詰まる。幸佑はことある事に「恋人」だと口にする。オレにそんな気はないし恋人だなんて思っていないが、頻繁に言われるとうっかりその気になりそうで怖い。
「恋人じゃねぇよ」
「まだそんなこと言って。コウちゃんってば、頭いいのにうっかりさんだよね」
「はぁ?」
「だってさ、ご飯作ってくれるでしょ? 一緒にスーパーにも行くでしょ? こうやって週末お泊まりするし、俺のパジャマ着るし」
「ちなみにそれ、彼シャツと同じだからね?」と鏡越しに言われて手が止まった。
たしかに泊まるときは幸佑のパジャマを借りるが、それはいつ泊まるか決めていないからだ。だからと言って泊まる日にわざわざ着替えを持って大学に行き、それからマンションに行くのも小っ恥ずかしい。それじゃあ泊まる気満々のようだし、幸佑が興奮しそうで嫌だという気持ちもあった。
「こうしてお揃いの歯ブラシもあるでしょ? ペアのマグカップも買ったし、夫婦箸も買ったでしょ?」
「歯ブラシはたまたま色違いなだけだろうが。それにマグカップも箸もおまえが買ってきたんだろ」
それに夫婦箸って、それじゃもう恋人を通り越している。
「だって、コウちゃんとラブラブしたかったんだもん」
「かわいく言っても無駄だぞ」
「ちぇっ。ほかの人なら俺がニコッてするだけで、すぐコロッていくのになぁ」
「小さい頃からずっとおまえを見てんだ。今更んなことでコロッといくか」
「あはは。まぁそのほうが俺は安心だけどね」
「なんでだよ」
「だって、大抵のイケメンにはコロッといかないってことでしょ? 俺くらいのイケメンって滅多にいないだろうし」
「……いろいろ否定してぇが、間違ってねぇのがなんかムカつく」
「あはは、コウちゃんってば正直だね」
幸佑ほどのイケメンには、たしかにいままで出会ったことがないんだから仕方ない。そう思いながら何も言い返せないことに腹が立って、少し乱暴に髪を梳いた。
「ちょ、痛いよコウちゃん」
「やかましい。……ほれ、終わったぞ」
「わー、サラサラだ。コウちゃんの愛を感じる」
これはもう無視するのが一番いい。自分も髪を乾かしてさっさと寝よう。
「でもさ、こうやっていっぱい一緒に過ごして、お泊まりもして、一緒のベッドで寝て、それで恋人じゃないっていうほうが変じゃない?」
「んなことはねぇだろ」とは言えなかった。
恋人がいたことなんてないオレだが、薄々、なんとなく、気のせいじゃなければ、こういう感じが恋人なんじゃないかと思うことはあった。そう思った自分に驚いたが、かといって不快に思ったり嫌だと思うことはない。
(オレ、じつは幸佑のこと、そういう意味で好きってことか?)
……わかんねぇ。二年間もやった受験勉強よりずっと難しい問題に、オレは首を傾げることしかできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!