異身同心

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 生きていて初めてのひとりだ。  こんなことになるはずではなかった。  私は、家族とレストランで暮らしていた。  父と母と97匹のきょうだいと暮らすあの家が私は大好きだった。そう大きくはない店だが、人柄の良さそうなおじいさんと三人のアルバイトの人が働いていた。  その三人のうちの一人が私はとても気になった。これと言って目立つところがある訳ではないが、なんとなく、こう、イイ感じがしたのだ。  Gと呼ばれる私にだって、雰囲気くらいは掴める。  彼女は嫌がるかもしれないが、私と同じ匂いがしたのだ。  人間と私達。ひとたび出会ってしまったら、途端に追う者と追われるもの、殺す者と殺されるものになるのは重々承知だ。だから、話すとか友達になるとかそんな贅沢は言わない。ただ一度でいいから、明るい場所で彼女を見たかっただけなのだ。それが出来れば諦めもつく。もうずっと暗い場所でひっそりと生きていく。そう心に決めた私はひとり作戦を立て、そして、今日に賭けた。  
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