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「そりゃ、この藤林佐武、飛鳥殿の相棒みたいなものですからね。
━━どうぞ、お手を」
「誰が相棒だ」
差し出された手を無視し、窓に手を引っ掛け、ひょいっと乗り越える。
しかし、佐武は笑顔を絶やさず、回収した鍵縄を私に渡してきた。
「朝から大変ですね、飛鳥殿」
「全くだ。
こんなんじゃ、まともに授業も受けれやしない…」
「そりゃま、野郎ばかりの学校にいきなり美人すぎる女子生徒が入学してきたら、おかしくもなりますって」
「おかしいにも度がすぎんだよ。
大量の恋文をロッカーや机の中に入れてきたり、廊下の角でぶつかってこようとしたり。
いちいちやり方が古典的すぎる」
「まぁ、その辺は頭が回らなさそうな野郎ばかりですし。映画や漫画頼りなんでしょう」
「はた迷惑だ」
「まぁまぁ。
とはいえ、飛鳥殿も殿方に全く興味ないという訳ではないでしょう?」
「は?」
「飛鳥殿もお年頃ですし、好きな男性のタイプとかないんですか?」
「特にない」
「てことは、俺でもいいのですか?」
「は?」
見ると、佐武が自分を指差してにっこりと微笑んでいた。
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