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「ああ。
早いこと見つけ出して、こんな高校とはおさらばしたいからな」
「はぁ…。
でもまだ二日しか経ってないですよ」
「二日もあれば十分だ。
校内の部屋一つ一つ、校庭、体育館の隅々まで丹念に調べ回ったが、全く見つからなかった」
「さすが飛鳥殿。人間業じゃないですね。
…しかし目につくところにないとすると、一体どこにあるんでしょう?まさか地中とか?」
「それはないだろうな。
あの父親の鍛錬がいつも無茶苦茶とはいえ、重機が必要な捜索を私にさせるとは思えない。
それに何も刀の在処が“場所”であるとは限らない」
「……と、言いますと?」
「誰かの持ち物である可能性だってある」
すると、私の前で佐武はまばたきを数回繰り返した。
「……誰かの持ち物?
それは校内の誰かということですか?」
「もちろんそうだ。
考えてもみれば、あの父親からの最後の試練が、探して取ってきてハイ終了、なんていう生易しいものであるはずがない。
強者から奪って取ってくるというほうが、最後の試練と言うに相応しいだろう」
「はぁ…。
しかし、この学校内にいる生徒、教職員合わせて千人以上はいますよ。その中から割り出すのは相当骨がおれる……ってまさか、もう目星はついてるんですか?」
訊ねてくる佐武に、私は頷いた。
「まあ、大体な」
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