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零:最後の試練へ
それはいきなり告げられた。
「明日からここに通いなさい」
夕飯が終わった後、話があると言って切り出した父さんは、座卓の上に一枚の冊子を広げてそう言った。
私はそれに目を落としながら、
「…何だこれは?」
「明日からお前が入学する学校のパンフレットだ」
向かいに座す父さんは腕組みをしたまま微動だにせずに答えた。
しばらく私は目をしばしばさせた後、
「…は?入学?」
「そうだ」
さっぱりその言葉の意味が理解できないが、もう一度、卓上のパンフレットに目を落とし、頁を少し捲ってみる。
そして、そこであることに気づいた。
「…ちょっと待て。しかもこの高校ってまさか男子校?」
その問いに対し、父さんはさらりと肯定した。
「そうだ。
お前は男子校に入学するんだ」
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