参:捜索

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「…偽名だと? じゃあ、奴は何者なんだ?」 「━━古備前包平(こびぜんかねひら)」 いつか聞き覚えのある言葉を佐武は静かに呟いた。 「確か、飛鳥殿が探している刀の名前ですよね?」 「ああ、そうだが…」 名前は聞いているが、それがどういう刀かまでは知らない。 「古備前包平(こびぜんかねひら)は、かつて伊賀の三大上忍の一人であり、のちに伊賀衆と甲賀衆を率いたという伝説の忍者━━服部半蔵(はっとりはんぞう)の愛刀と言われています」 「…服部半蔵…だと?」 「はい。 その刀は初代から代々、服部半蔵を世襲(せしゅう)した者が受け継いでいったそうです」 「…おい…」 佐武の言わんとしている先が分かってしまった。 「…まさか、奴の正体って…」 「ええ。 おそらく相手は、飛鳥殿の父君と同じく伊賀忍の家督(かとく)を継ぐ者。 ━━当代(とうだい)服部半蔵(はっとりはんぞう)かもしれません」
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