参:捜索

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そこにやって来たのは、長身痩躯で眼鏡をかけた優等生然とした男だった。 (…奴が風間柊(かざましゅう)か) 身構え、その挙動(きょどう)を見守る。 風間は鞄から財布を取り出し、自販機に小銭を入れた。 何てことはないその動作の中に私は違和感を見つけた。 (…あの鞄の中と袖の内側…) 隣の佐武が言った。 「飛鳥殿。声を掛けに行きますか」 「いや。必要ない」 「え?……って、えぇっ?!」 佐武に答える間もなく、私はスカートの中のガーターベルトから手裏剣を数個引き抜くと続けざまに投擲(とうてき)した。 ドスドスドス、と鈍く突き刺さる音が連続して響く。 「飛鳥殿!いきなり何やってんですか?! …って、あれ?」 佐武はそちらを見て、驚く 私が投げ放った手裏剣が全て、風間の学生鞄に突き刺さっていた。 風間柊(かざましゅう)は、顔の前に(かか)げ持ったその鞄をゆっくりと下ろした。 「これはまた。随分と手荒い挨拶なことですね」 そいつは全く動じた様子もなく、優雅に微笑みさえ浮かべて言った。 「俺に何の用でしょうか?」 私はそいつの端正な顔を睨みながら、言い放った。 「━━生徒会長に勝負を申し込みたい」
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