参:捜索

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すると、そいつは「へぇ?」と興味深げに笑い、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。 私の眼前まで来て、立ち止まる。 隣の佐武が警戒して身構えるのが横目に見えた。 「君みたいな可愛い子が、ここのてっぺん狙ってるとは面白いですね」 風間は私の方へ手を伸ばし、顔に触れようとしてくる。 私はその手を払い()けるようにして腕を掴み上げた。 「てっぺんとやらに興味はない。 私はただ生徒会長と勝負したいだけだ」 「…なるほど。わかりましたよ」 風間は私の目を見ながら笑った。 「ただし、仲介料(ちゅうかいりょう)をもらわないとね」 「仲介料?」 するといきなり、風間は私に掴まれている腕を思いっきり自分の方へと引いた。 思いがけないその行動に、私はバランスを崩し、風間の方へ倒れ込む。 「…なっ…」 (のが)れる間もなかった。 気付けば、私は風間の腕の中にいた。 「何をする?!」 奴の腕を振りほどこうとするも、強く抱き締められていてビクともしない。 背中に回された腕が下へと移動し、 「…っ?!」 むにっと、いきなりお尻を触られた。 突然のことに頭の中が真っ白になる。 「飛鳥殿から離れろ!」 怒気(どき)(はら)んだ声が響く。 佐武は素早く風間の横に立ち、その手に持つ苦無(くない)(両刃の忍具)の刃先を風間の方へ向け、威嚇していた。 風間はそんな佐武を見て、笑いながら私から離れた。
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