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風間が離れた後、私はその場に座り込んだ。
「飛鳥殿!大丈夫ですか?飛鳥殿!」
「ああ…ちょっとびっくりしただけだ…」
立ち上がろうとして、なぜだか体に力が入らない。
(…くそ。尻を触られたぐらいで何を動揺しているんだ私は…)
情けない気持ちでいると、
「大丈夫ですか。飛鳥殿。
━━どうぞお手を」
気づけば佐武が私に手を差し出していた。
その手を握ってゆっくりと立ち上がる。
浅く息を吐くと、気分が落ち着いてきた。
向かいには、少し興奮気味に笑う風間が居た。
「君、実に素晴らしい体つきをしてますね。
その反応を見るに、異性に触られることには慣れてなさそうですが」
「黙れ、変態」
「ふふ。まぁいいでしょう」
そう言って、風間はその場から歩き出した。
「おい、どこへ行く?」
すると風間は振り返り、
「ついて来てください」
にやりと笑ってこう言った。
「案内しますよ。生徒会長のところまで」
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