参:捜索

8/8
前へ
/127ページ
次へ
風間が離れた後、私はその場に座り込んだ。 「飛鳥殿!大丈夫ですか?飛鳥殿!」 「ああ…ちょっとびっくりしただけだ…」 立ち上がろうとして、なぜだか体に力が入らない。 (…くそ。尻を触られたぐらいで何を動揺しているんだ私は…) 情けない気持ちでいると、 「大丈夫ですか。飛鳥殿。 ━━どうぞお手を」 気づけば佐武が私に手を差し出していた。 その手を握ってゆっくりと立ち上がる。 浅く息を吐くと、気分が落ち着いてきた。 向かいには、少し興奮気味に笑う風間が居た。 「君、実に素晴らしい体つきをしてますね。 その反応を見るに、異性に触られることには慣れてなさそうですが」 「黙れ、変態」 「ふふ。まぁいいでしょう」 そう言って、風間はその場から歩き出した。 「おい、どこへ行く?」 すると風間は振り返り、 「ついて来てください」 にやりと笑ってこう言った。 「案内しますよ。生徒会長のところまで」
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加