肆:対峙

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肆:対峙

風間に連れてこられた先は、生徒会室だった。 長机にパイプ椅子にホワイトボード。 よくある会議室のような室内。 そして、部屋に入るなり、風間は首を傾げた。 「あれ? まだ来てないようですね」 室内には誰もいなかった。 「さっき、電話で会長を呼び出したんですけどね…。少し待っててくれませんか?」 そういえばここに来るまでの廊下で、風間はスマホで誰かに電話をしていた。 どうやら私達が会いたいと思っているその人物━━千賀正宗(せんがまさむね)と連絡をとっていたらしい。 「わかった」 佐武と私は揃って頷いた。 風間も待ち時間を潰すべく、鞄から雑誌を取り出し、そのエロス全開な表紙を隠しもせず読み始める。少しは恥じらえ。 それからしばらく静かな時間が過ぎ…。 扉の開く音がした。 「━━ちーす♪」 陽気な声とともに生徒会室に入ってきたのは、制服を派手に着崩した銀髪の男だった。
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