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私はちらりと横目で、隣の佐武を見た。
すると佐武も私と同じことを思っているような表情で見返してきた。
(━━本当にこのチャラい男が服部半蔵なのか?)
千賀はひとしきり喜んだ後、きりっと居ずまいを正して、私の方を向いた。
「俺はこの高校の生徒会長、千賀正宗。
君は?」
「私は一年の百地飛鳥」
「飛鳥ちゃんか。
それで俺に何の用かな?」
「それは…」
答えかけたその時、佐武が間に割って入ってきた。
「ちょっと待って下さい。
その前に風間さんには席を外してもらってもいいですか?」
「ほぅ?
ところでYOUは何者?」
「えと…藤林佐武。
飛鳥殿の幼馴染で…将来彼氏になる可能性があるかもしれない男です」
「おい。何勝手な情報を付け足してやがる」
「ふぅん?飛鳥ちゃんの親しい人か。
…ま、いいだろう。
風間チャン。ちょっと出て行って貰える?」
千賀は風間に声をかけた。
「……わかりました」
風間はすんなり頷き、机の上に読んでいた雑誌を置いて生徒会室を出て行った。
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