肆:対峙

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千賀は風間が出て行ったことを確認してから、私達の方に向き直った。 「さて。これでいいかな?」 私達は頷いた。 「それで俺に何の用かな?飛鳥ちゃん」 「その前に一つ訊きたい。 お前は当代服部半蔵(とうだいはっとりはんぞう)なのか?」 「…ほぅ」 その言葉に、千賀の目付きが変わった。 「よく俺の正体を知ってるね。 君達も只者ではなさそうだ」 あっさりと認め、私達を探るように見ながら笑う。 (やはりこいつが…) 私は相手を警戒しながら言った。 「私は伊賀忍の末裔、当代百地三太夫(とうだいももちさんだゆう)の娘。 お前の持つ古備前包平(こびぜんかねひら)を奪いに来た」
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