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千賀は風間が出て行ったことを確認してから、私達の方に向き直った。
「さて。これでいいかな?」
私達は頷いた。
「それで俺に何の用かな?飛鳥ちゃん」
「その前に一つ訊きたい。
お前は当代服部半蔵なのか?」
「…ほぅ」
その言葉に、千賀の目付きが変わった。
「よく俺の正体を知ってるね。
君達も只者ではなさそうだ」
あっさりと認め、私達を探るように見ながら笑う。
(やはりこいつが…)
私は相手を警戒しながら言った。
「私は伊賀忍の末裔、当代百地三太夫の娘。
お前の持つ古備前包平を奪いに来た」
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