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「……誰だてめぇ?」
そう言いながら、思わずその男を睨み付けた。
私に気づかれず私の横に立つとは、只者ではない。
「え?もう忘れちゃったんですか?俺のこと…」
その男は見るからに、しゅん、と項垂れる。
そこでようやく私はその男のことを思い出した。
「…お前…佐武か?」
「そうですそうです!
良かったぁ。忘れられてなくて…」
その男は心底ほっとした様子で胸を撫で下ろした。
彼の名は藤林佐武。
私と同い年であり、家系は違うものの私と同じく伊賀忍の末裔。
幼い頃、修業や鍛錬の際に一緒になることが多かった。
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