出会いと災難と(下)

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幼稚園から延長の際は必ず連絡を入れるように注意され、帰宅したみのり達。 仕事終わりのいざこざもあってみのりの疲労はピークに達していた。 「ーつかれた〜」 グテーっと畳に伸びてしまったみのりの姿に愛も一緒になってゴロリと寝転ぶ。 ゴロゴロと転がり回る姿に元気だなっと自然に笑みが出てくる。 「愛、今日はピザ頼もうか?」 「ピザ!?」 私の言葉に目をキラキラとさせて嬉しそうな愛の表情に携帯画面に映し出されたピザメニューの一覧を見せた。 「どれがいい?」 「ん〜、コレとコレ!」 ちゃっかり2枚も頼む愛に、今日は奮発だと意気込むみのり。初めての宅配ピザのため、入力をしていると宙からの着信が入る。 しばらく悩んだが、タクシー代のお礼を言うくらいは良いよねと自身に言い聞かせ、通話ボタンを押した。 「もしもし?」 『ー良かった出てくれて…』 「宙、あの、タクシー代ありがとう。」 『気にしないで。俺たちのせいでもあるし。』 「それはー」 「ーねぇ、ピザまだ?」 『ーピザ?』
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