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来客が来たのだと和室に引っ込んでいた愛が、2人の会話で聞こえたピザのワードにひょっこりと顔を出した。
「ーピザきたの!?」
ドタバタと玄関まで来ると、ピザの袋に釘付けの愛にクスクスと笑うみのり。
「ー上がってもいい?」
「ーどうぞ。」
宙がキッチンにある、ダイニングテーブルにそれを置くと、ピザに釘付けだった愛が宙を見て驚愕した。
「うわぁーー!そらだ!」
愛の突然の大声にピクリとした2人だが、愛の瞳を見るとまるで、アイドルのファンのように爛々としていた。
宙は愛の目線までしゃがみ込むと、頭を撫でてあげた。
「愛、ただいま…」
「ひゃあっ、そらだ!おかえり!」
なんとも無邪気な我が子の姿は微笑ましく、
宙は小さな体をギュッと抱きしめた。愛は黄色悲鳴に似た声を上げていたが、嬉しそうに抱きしめ返していた。
「かわいすぎ…」
「かわいい?」
「うん、ママに似て可愛いよ。」
「えへへ、」
「ー早く食べようよ。」
愛にとってはテレビでよく観る人物なだけで、ここまで気を緩すものだろうかと見ていたみのり。せっかくの3人でのだんらんを楽しむため様子を見守っていたが、宙からの可愛い攻撃に恥ずかしくなり、気を逸らすようにツンと言って、飲み物の準備をする。
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