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お腹の満たされた愛が玩具に夢中になっている様子を食後のコーヒーを飲みながら、2人で眺めていると、不意にこちらを向いた宙は席を立つとみのりの隣に腰掛けた。
「やっと、ゆっくり話せるね?」
「…それが目的?」
「久しぶりに会ったんだから、甘えさせてよ。」
宙の誘惑に揺らぐみのりの心だが、グッと我慢する。
「ダメ!宙はトップアイドルだよ!1人の女性だけにそんな特別は…」
そこまで言ってチラリと視線を横にやれば、
寂し気に見つめている宙がいて、心臓がキュッと掴まれたような気がした。
「なんで、連絡くれないの?」
「それは…」
宙のマネージャーに言われたことを本人に言うべきか迷っていたみのりだが、きっと言っても言わなくても状況は変わらないと思った。
ーこうして彼が会いに来てくれる限り。
「じつは…」
みのりは意を決して、宙に打ち上ければ、
やっぱりと言った顔をして綺麗に整った眉を下げた。
「…そっか…なんとなく察してた。」
「だから、関わらないように距離を置いてたの。」
「…でも、はっきりしてスッキリしたよ。」
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