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薄らとした暗闇の中、無遠慮に鳴ったアラーム音が知らせる時刻は午前4時。
聴き慣れないアラームに薄らと目を開けてみるとみのりの視界にはスヤスヤと眠る宙の顔。
「!!!?」
吃驚して目をぱちくりとしていると、アラームに気づいた宙の瞳が開く。携帯のアラームを止めるとこちらを向いてニコリと微笑むとみのりをギュッと抱きしめる。
「…ごめん、起こしたね…。」
「…いやっ、大丈夫…」
「オレ、帰るから、戸締りしてゆっくり寝てて?」
「…あっ、ごめんね、私が寝ちゃったから…」
「気にしない。オレはいい気分だから。」
ゆっくりと背中を撫でられ、昨夜の行為が一瞬で頭を過ったため、ギュッと目を固く瞑ると
頭上からクスクスと笑い声が聞こえた。
「ふふ、思い出しちゃった?」
「ーばか…。」
「みのり、オレのこと遠慮したり、気を遣わなくていいからね?」
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