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「はい、チケット。」
「いいの?本当に出さなくて。」
「大丈夫だから。」
チケット代を払ってくれた宙。半券は記念にとってとおこう。
中に入ると一方通行になっていて全ての生き物を順番に見て回れるようになっていた。
「うわぁ〜きれい。」
観賞用の魚が入った水槽。小さくても色とりどりで見ていて飽きない。
「可愛い〜な〜」
小さな魚達に癒されるみのり。みのりと同じように水槽を眺める宙。時折、女の子達がチラチラと魚ではなく宙に視線を泳がせている。
「ここでも五十嵐君は人気者だね。みんな見てる。」
宙は視線を感じる方に目を向けると女の子達はきゃあ!とかこっち見た!とか口々に言う。
隣にいるの彼女かな?
そんな声が宙に届くと、宙はそっとみのりの右手に指を絡めて握る。
「えっ。」
突然、手を握られたことで驚いたみのり。
「嫌だった?」
「ううん!!」
2人は恋人繋ぎのまま奥へと進んでいった。
「あっ、みて!チンアナゴ!」
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