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あれから2曲程続けて恋愛ソングをリクエストしたが、どれも上手すぎる。
「五十嵐君すごーい!」
「さっきから凄いしか言ってないよ?」
「ごめんね、でも五十嵐君の歌声凄くいい!何度でも聞きたくなっちゃう!」
目をキラキラとさせて言うみのりに宙は次はみのりの聴かせてっとリクエストされた。
「わっ、私、五十嵐君みたいに上手くないからね!」
一応念押しして、一曲歌ってみる。
雪の時と違って異性にしかも彼氏に自分の歌声を聞いてもらうなんて恥ずかしくていつもより下手くそに聞こえる自分の歌声。
「はぁ〜緊張した!」
「みのりも上手かったよ。」
「五十嵐君に比べたら全然だよ。」
マイクをテーブルに置いて頼んでいた飲み物に口をつける。携帯で時刻を確認すると20時を過ぎた頃だった。
「(もうこんな時間なんだ…)」
宙に視線をやると何やら携帯を眺めていた。
じっと見つめているとこちらの視線に気づいた宙。
「あっ、ごめん。ちょっと急ぎのメールだったから…」
「気にしないで!」
「ごめん、ちょっと電話してくる。」
宙が出て行った後、みのりは大きく深呼吸をした。
「はぁーーー緊張がとけないよ〜」
グーッと伸びをしてみる。
密室で2人きり。なんだかソワソワして落ち着かない。画面には今月の人気ランキングの紹介。
「おまたせ。」
「あっ、おかえりなさい。」
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